GPD Win MAX2 の LTE モデルで povo 2.0 に繋ぎたい
先日、GPD Win MAX2 を購入した。当時、たまたま LTE 搭載モデルが最安だったので、povo 2.0 を契約して挿しておけば、旅行や出張が捗るのではと期待した。
しかし、povo 2.0 を契約し、SIM カードの挿入と APN 設定を行っても、ステータスは「圏外」となり LTE に接続できなかった。ググると以下のような設定方法を見つけられるが、自分にはいずれの方法も効果が無かった。
また、GPD のWebページからドライバを入手し、Windows 標準ドライバから LTEモデムのメーカ(Quectel)のドライバに更新したりもしたが、これも効果が無かった。
Windows11 の UI の問題?
上記で挙げたWebページをはじめ、世の中のバラバラな情報をかき集めると、以下の状況が見えてくる。
- MVNOやサブブランドのSIMでは「規定のAPN」が悪さをすることがある
- 5G対応のSIMでは「APNの種類」で「インターネットおよびアタッチ」を選ぶ必要がある
- 5G非対応のモデムでは「APNの種類」で「インターネット」しか表示されない
- 「インターネットとアタッチ」が表示される環境でも、まれに消えることがある
なんとなく、WWAN周りにおける Windows のユーザインタフェースの造りが甘いのでは?という問題が透けて見える。
AT コマンドで直接制御する
組み込み系ではよくやる方法だけども、LTEモデムやダイヤルアップモデムは、ATコマンドと呼ばれるコマンド群で制御ができる。インタフェース系の問題であれば、直接LTEモデムへコマンドを送ってしまえば設定できるのでは?と考えた。
検証環境
- Windows11 Home 22H2
- GPD WIN MAX2 (2022モデル)
- Quectel EC25-J
- RLogin 2.28.1
手順
LTEモデムに接続する
LTEモデムの多くは、UARTでATコマンドを受け付けているため、ここにシリアルコンソールで接続する。今回は Quectel USB AT Port
に対して、ターミナルエミュレータの RLogin を用いて接続した。
接続できたら、AT
コマンドで疎通を開始し、ATI
コマンドでモデムの情報を取得する。
AT OK ATI Quectel EC25 Revision: EC25JFAR06A06M4G
モデムの情報が分かれば、メーカーサイトからデータシートを取得し、対応しているATコマンドを確認する。Quectel の EC25 ならば以下になる。
APNの設定を行う
まずは、現在の APN の状態を確認する。
AT OK AT+CGDCONT? +CGDCONT: 1,"IPV4V6","uno.au-net.ne.jp","0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0",0,0,0,0 +CGDCONT: 2,"IPV4V6","","0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0",0,0,0,0 +CGDCONT: 3,"IPV4V6","ims","0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0",0,0,0,0 +CGDCONT: 4,"IPV4V6","SOS","0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0",0,0,0,1 OK
自分は Windows11 の GUI から povo2.0 のWebページに記載されている設定 を行っているにも関わらず、 実際に LTE モデムに読み込まれている設定は KDDI の規定 のものになっている。そこで、LTEモデム上の不揮発メモリに対して、設定を上書きしてやる。
AT+CGDCONT=1,"IPV4V6","povo.jp" OK AT+CGDCONT? +CGDCONT: 1,"IPV4V6","povo.jp","0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0",0,0,0,0 +CGDCONT: 2,"IPV4V6","","0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0",0,0,0,0 +CGDCONT: 3,"IPV4V6","ims","0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0",0,0,0,0 +CGDCONT: 4,"IPV4V6","SOS","0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0.0",0,0,0,1 OK
その後、LTEモデムを再起動させて、15秒くらい待機する。
AT+QPOWD=1 OK POWERD DOWN
LTEモデムの再起動が完了すると、「圏外」だったステータスが接続済みとなる。